「あの案件、今どうなっている?」を確認するために、わざわざ声をかけたり、Excelファイルを開いて確認したりする手間に悩む経営者・管理者は少なくありません。タスクや進捗の伝え方・マネジメントの考え方については自律型チームを育てるタスクモニタリングのポイントで解説しました。本記事では、業務アプリ自体にどのような機能を持たせれば現場の入力が自然と見える化につながるのか、機能設計の観点から解説します。
業務アプリで実現できる「見える化」の機能例
業務アプリに次のような機能を持たせることで、声をかけて確認する手間を減らせます。
一覧画面でのステータス表示
受注管理アプリであれば、「対応中」「確認待ち」「完了」といったステータスを一覧画面に表示するだけで、誰がどの案件をどこまで進めているかが一目で分かります。
入力するだけで自動的に集計される仕組み
現場が日々の入力を行うことで、件数や進捗状況が自動的に集計・表示される仕組みにしておけば、別途報告のための作業を発生させずに状況を共有できます。
遅延や例外を自動的に目立たせる表示
業務アプリ開発で失敗しないための要件定義の進め方で触れた「例外処理」の考え方を応用し、「希望納期を過ぎている案件」などを自動的に色分けして表示するようにしておけば、確認すべき案件が自然と目につくようになります。
たとえば受注管理アプリの場合、「顧客名・商品・希望納期・現在のステータス」を一覧画面に並べておくだけで、経営者は画面を開くだけで全体の状況を把握できます。個別に声をかけて確認する手間がなくなる分、現場にとっても「進捗どう?」と聞かれる回数が減るというメリットがあります。
「見える化」したい内容は、要件定義の段階で具体化する
何を見える化したいかは、業務によって異なります。要件定義の進め方で触れた「出力・表示」の要素を整理する際に、「経営者・管理者が一覧で確認したい情報は何か」を具体的に挙げておくと、見える化の機能をそのまま業務アプリに組み込みやすくなります。
たとえば、「件数」だけを知りたいのか、「誰が・どの案件で・どれくらい時間がかかっているか」まで知りたいのかによって、必要な表示項目は変わります。最初に「何のために見える化したいのか」を整理しておくと、表示内容がぶれません。
見える化のしすぎに注意する
見える化の機能は多いほど良いというわけではありません。表示項目を増やしすぎると、画面が見づらくなったり、現場の入力項目が増えて負担になったりすることがあります。業務アプリを社内に定着させる方法でも触れた通り、現場にとって使いやすい状態を保つことが、結果的に見える化された情報の精度にもつながります。
経営者・管理者が「知りたい」と思う情報と、現場が無理なく入力できる範囲のバランスを取ることが、見える化を機能させるための前提になります。「念のため」とあらゆる項目を表示・入力対象にすると、現場の負担が増えるうえ、結局どこを見ればよいか分からない画面になります。
よくある質問
見える化の機能を増やすと、開発費用も上がりますか?
表示項目や集計ロジックが増えるほど、開発の工数は増える傾向があります。まずは経営者・管理者が本当に必要とする情報から優先して検討することをお勧めします。
現場が「監視されている」と感じてしまいませんか?
表示する情報が「個人の稼働状況」ではなく「案件・タスクの状況」であれば、監視という印象は抑えられます。何のために、どの情報を表示するのかを現場に説明しておくことも大切です。
すでに使っているExcelの集計方法を、そのまま業務アプリに反映できますか?
多くの場合、可能です。現在Excelで行っている集計方法を、要件定義の段階で具体的に伝えていただければ、それをもとに表示方法を設計できます。
タスクモニタリングの考え方と、本記事の内容はどう違いますか?
タスクモニタリングのポイントは、進捗の聞き方や心理的安全性など、マネジメントの考え方を扱っています。本記事はそれを踏まえたうえで、業務アプリ自体にどのような表示機能を持たせるかという、ツールの機能設計に絞った内容です。
まとめ
業務アプリでの見える化は、一覧でのステータス表示や自動集計、例外の強調表示といった機能を、要件定義の段階で具体化しておくことで実現できます。見える化の機能を増やしすぎず、現場の負担とのバランスを取ることも欠かせません。業務アプリケーション開発に関するお悩み事などがあれば、まずはお気軽にSeldishにご相談ください。